高槻市|内科|腎臓内科|やまぐち内科・腎臓内科




高槻市|内科|腎臓内科|やまぐち内科・腎臓内科



こんな お悩み ありませんか?
- 健診で尿たんぱく、尿潜血(血尿)、腎機能低下と言われた
- 尿の泡立ちが気になる
- 糖尿病や高血圧の治療中だが、透析にならないか心配
- サプリメント飲んでるけど、腎臓は大丈夫?
- 腎臓の機能は、少し悪いくらいなら放っておいても問題ない?
- どうなった時に腎臓内科に行ったらいいの?
- どのくらいの間隔で受診が必要なの?
- 定期診察では血液検査は何回もするの?

尿検査で異常が見つかったり、腎臓の数値が高いと診断された場合、いろいろな不安や悩みが出てくるかもしれません。
受診するべきだ思っていても、症状がなかったり忙しいと、つい診察や治療を後回しにしてしまうこともあるかもしれませんね。

腎臓の機能は加齢によっても少しずつ低下していきますが、通常それだけでは透析には至りません。
しかし、糖尿病や高血圧など、腎臓を弱らせる病気もあると、腎臓の機能も弱り(慢性腎臓病といいます)、人によっては加速的に進行し、透析などの高度の腎不全へと進行します。
腎臓がどのように悪くなっていくのか、ミクロの視点で見てみると、意外に怖いことが起きています。
腎臓の主な機能の一つは老廃物をろ過して尿を作ることですが、そのろ過装置(ネフロンといいます)は左右2つの腎臓合わせて約200万個もあります。
しかし、腎臓の病気により、ネフロンの機能が次にのように低下します
・平均的な慢性腎臓病の方は 1年で3.7万個ずつ (1日100個ずつ) 減少
・特に糖尿病の方はより早く、 1年で5.7万個ずつ (1日157個ずつ) 減少
・さらに特に腎臓病の進行が速いタイプでは1年で9.8万個ずつ (1日270個ずつ) 減少
もちろん、このページを読まれている間にもネフロンはどんどん減っています。
腎臓の機能が低下している間、最初のうちは痛みも何も症状が出ませんが、ミクロの世界ではこのような大きな変化が進んでいます。
腎臓が心配な方は、慢性腎臓病の進行を止める治療を早めに相談しましょう。
「症状がでたら受診しよう」では手遅れになるかも!
腎臓の病気は、とにかく末期になるまで症状が出ないので、検査で異常が出たら早めに専門医の受診をお勧めします。
糖尿病や高血圧を、HbA1cや血圧の数値だけでみていませんか?本当にみるべきは…
尿蛋白が出ているけど腎機能(老廃物のろ過機能)は正常な糖尿病患者さんたちの経過に関する研究があります(出典:Kidney Int. 82:589-97,2012)。
その患者さんの中には、腎臓病の進行がとても速く、約7年後には透析になった患者さんが複数いましたが、このような方は最初はどのデータが悪かったと思いますか? HbA1cや血圧でしょうか?
結果、HbA1cでも血圧でもなく、最初の1年間の腎機能の悪化の速度が最も悪かった人たちが透析になっていました。初期の軽微な変化の段階から、もうすでに将来の危険性が上がっていたわけです。
この腎機能(eGFR)やその悪化速度は、当院でも定期的に血液検査を受けて頂くことで簡単に調べられます。
現在腎臓の機能に問題ないという方でも、糖尿病や高血圧が2-3年続いている場合は、血液検査や尿検査など、腎臓の機能の変化が出ていないか、詳しく調べてみましょう。
腎臓の病気で、重要な対策とは〇〇!
腎臓はおしっこ(尿)を作るだけでなく、生命に重要なミネラル、水分、ホルモンなどのバランスを調整する重要な臓器です、腎臓が病気になると、これらの機能がうまく働かなくなります。
腎臓の病気が進行して透析が近くなると、様々な症状が現れます。症状が出るくらいまで病気が進行してから治療を開始して、進行を若干遅らせることしかできず、根本的な治療にはなりません。
ですので、早期発見・早期治療がとても重要です。
以下に当てはまる方は腎臓専門医を受診しましょう!
□ 健診で尿蛋白が陽性だった
□ 健診で尿潜血が陽性だった
□ 尿蛋白が±(プラスマイナス)だった。また、過去にも±だったことがある(通算、2回以上±が出た)※。
□ 尿が泡立つ
□ 尿の量、臭いや色が変化してきた
□ 何回もおしっこに行く
□ 血液検査で腎臓が弱っているといわれた(クレアチニン、尿素窒素など)
□ 足がむくんできた(靴が入りにくいなど)
□ 以前より血圧や血糖値が上がってきた
※ ガイドラインでは通算2回以上となっていますが、1回でも±が出てご心配の方は、当院で簡単に精査させて頂くこともできます(尿蛋白検査の精密検査だけであれば、当日に検査結果出て安心です。追加検査が必要な場合は改めて説明いたします)。
腎臓の病気を放置するとどうなるの?血液透析ってなに?
腎臓が弱っていくと、最終的には血液透析などが必要な末期腎不全へと進行します。病気の進行が早い方では、腎臓の病気とわかってから数か月・数年で透析になる方もいます(個人差があります)。
血液透析は末期腎不全の患者さんにとって生命をつなぐとても大切な治療ではありますが、治療の特性上、生活はとても大変になります。
このように「普通の生活」が大きく変わっていきます。
ですので、腎臓の病気が軽度のうちに、専門外来で将来を見据えた治療を行うことが重要です。
尿蛋白や尿潜血が陽性の人は腎臓の病気なの?
尿蛋白は腎臓の病気の重要な特徴です。尿蛋白が出ている場合は腎臓内科へ受診をお勧めします。
尿蛋白と尿潜血の両方が出ている方も腎臓内科で診察いたします。
尿潜血・血尿は腎臓の病気だけでなく、膀胱・尿管・尿道など、腎臓以外の病気の可能性もあり、その場合は泌尿器科が専門になります。
どちらかわからない場合は、一度当院で尿の精密検査をいたします(必要に応じて、精密検査結果とともに泌尿器科へ紹介状作成いたします)。
尿の泡立ち、色やにおいが気になる
最近おしっこの状態が変かも?と気になる方、ぜひ尿の精密検査を受けてください。
健診で受ける簡易検査ではなく、尿の詳細な蛋白量の評価や、わずかに混じる血液成分を顕微鏡レベルで検査することで、尿の異常、腎臓の病気を早期発見できます。
腎臓を調べる検査とは?

健診などで異常がみつかった場合、まずは詳細な血液や尿検査で、腎臓の病状確認と原因精査を行います(検査を行う範囲は患者さんの病状によって変わります)。
・腎臓の状態を評価する検査:血液検査や尿検査など
・なぜ腎臓が弱っているかを調べる検査:上記に加えて特殊血液検査、超音波検査、CTなど
・むくんでいたり、体に水が溜まっている場合:特殊血液検査、胸部レントゲン、超音波検査など
高血圧や糖尿病などによる動脈硬化と腎臓の病気と関連が考えられる場合は、高血圧や糖尿病の評価に加えて、全身の動脈硬化の進行を検査する場合があります。
また、精査の結果、腎臓に特有な病気(腎炎など)が疑われる場合には、総合病院に紹介し、腎生検といったさらに精密な検査をご提案することがあります。
腎炎の特殊な病気では、他臓器の病気(大腸や肺など)が原因となって、腎臓が悪くなるタイプもあります。つまり腎臓が、他の臓器の病気のサインを出している場合です。そのような病気が疑われる場合には、全身の精査(CT検査など)をご提案する場合もあります。
腎臓の治療はあるの?
腎臓の治療における新しい薬があります!
腎臓の治療を大きく3種類に分けると、
① 腎臓を悪くさせている原因(例、高血圧、糖尿病など)への治療
② 腎臓への治療
③ 将来の心臓病や寿命を考えた治療
となりますが、これらを並行して行うことが重要です。
例えば、糖尿病で腎臓が悪くなりかけている場合
△今まで通り、血糖を下げる治療を継続する
だけでは不十分です。上の①だけでなく、②や③も考えた治療を相談しましょう。
重要なことは
②では、
◎腎臓の機能が低下しないような薬を追加する
◎腎臓に悪影響を与える薬は減らす(もしくは安全性の高い薬に変更する)
◎定期的に血液や尿検査を行い、その結果も踏まえて治療内容の微調整を行う
③では
◎血糖を下げるだけでなく、腎臓や心臓を守る薬に変更する
と、治療の見方を変えていく必要があります。
また、早期から治療することが、その後の悪化を減らすために大切ですが、まず早期であることをきちんと発見することも重要です。
「ここ数年同じ治療を続けている、きっとうまくいっている」と思い込んで、早期の異常を見つける検査をされない方もいらっしゃいますのでご注意ください。
必ず早めに血液検査に加え、尿精密検査をご検討ください。
このような心配は、ぜひ一度、専門医に相談しましょう。
当院では最新のガイドラインに沿って、長い目でみてどう治療するべきかを考えます。
どの薬をどう組み合わせるかにこだわることはもちろん、食事や運動による治療も重視し、また病状やご希望によりスマホアプリによる治療など患者さんのライフスタイルに合わせた方法もご提案いたします。
慢性腎臓病の治療
食事療法
- 当院では栄養士と食事療法の相談ができます。まずは栄養状態や食事内容を確認し、食べ過ぎているもの、不足しているものを点検します。また尿検査により、毎日どれだけ塩分やタンパク質を摂取されているかも確認できます。結果に基づき今後の食事療法の方向性を決め、また定期的に計画の見直しをしていきます。
- 食事療法はとても重要ですが、厳しいだけの食事療法では長続きしません。ライフスタイルは人それぞれ異なりますので、あなたにカスタマイズした治療を相談する必要があります。
- 肥満やメタボリックシンドロームのある方は生活習慣の改善(特に食事療法や運動療法)により、尿蛋白の改善や、腎臓病の進行が緩やかになるなどの効果が報告されており、ガイドラインでも推奨されています。
- 慢性腎臓病では、腎臓で塩分を捨てる能力が落ち、塩分がたまりやすくなります。結果塩分を多く摂るとむくんだり、血圧が高くなる場合があり、その場合食事の塩分量を調整するだけでも大変効果的です。減塩が難しい方には、塩分をおしっことして捨てさせるお薬の併用もご提案いたします。
- 浮腫みなど水分が体にたまる方には、塩分制限だけでなく、水分の調整もご相談します。

運動療法
- 運動も厳しすぎると長続きしませんが、軽すぎる運動では十分な効果が得られません。
- 運動療法の主な効果は、運動能力の増加、骨密度の増加、体脂肪率の減少、インスリン感受性の改善(≒糖尿病や高血糖の改善),中性脂肪の減少などがあります。
- 特に慢性腎臓病の方には、腎機能の改善も期待されています。
1. まずはあなたの病状を総合的に評価し、問題なく運動できるかを確認します。
2. 体力チェックをして、実現可能な運動療法を開始していきます。
①病状の評価には
・血液検査
・レントゲン
・心電図
・血管年齢

②体力チェックには
・握力計
・歩行速度
・筋肉量測定

評価結果に基づき、まずは軽い運動(散歩など)から、様子を見て軽い筋トレも組み合わせていきます。
もちろん運動内容についてはしっかり相談しますので、無理をする必要はありません。
※かつては慢性腎臓病患者さんは安静が必要とされた時代もありましたが、現在ではエビデンスに基づかないとして、最新のガイドラインでは安静は推奨されていません。
薬物療法
どんな薬があるの?
腎臓病の進行を防ぐには、
① 腎臓を悪くさせている原因(例、高血圧、糖尿病など)への治療
② 腎臓への治療
③ 将来の心臓病や寿命を考えた治療
を組み合わせることが重要です。
例えばSGLT2阻害薬という新しい薬は、
① (糖尿病の方の場合)糖尿病を改善させ
② (高血圧など、糖尿病でない方でも)腎臓病の進行を抑制し
③ 心臓病、死亡の危険性も大きく減らす
ことを示しました。
他にも患者さんの病気の状態に合わせて、腎臓病の進行を防ぐ治療を組み合わせていきます。
また、「①腎臓を悪くさせている原因(例、高血圧、糖尿病など)への治療」に関しては、例えば高血圧が原因で腎臓が弱っている場合、もちろん血圧を下げることも重要ですが、腎臓により良い効果をもたらす薬を選ぶことが重要です。
血圧を下げる薬は100種類以上ありますが、薬によっては血圧を下げる効果はあっても、心臓や腎臓を守る効果が乏しいものもあります。
有用な薬の例としては、ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)というタイプの降圧薬を使うことで、他の降圧薬に比べて28%も透析のリスクを減らしたという報告があります。つまり、同じように血圧の数字を下げていても、どの薬を使うかで将来の透析など重症な腎臓病の発生率に大きな差が出ることがあるのです。
ただしどのお薬でも、副作用などお薬と患者さんの相性が良くない場合もあります。ですので、専門医のもと治療開始前後で血液や尿検査で評価をし、安全に、かつ最良の効果を目指すことをお勧めします。
その他
慢性腎臓病の治療は、他にも睡眠、禁煙、飲酒、便秘なども含めた、総合的な治療が重要です。ぜひ腎臓専門医にご相談ください。
身近できちんとした専門診療を受けたい方!
腎臓病は早期発見、早期治療が、10年後の未来を変えます。

ぜひお早めに受診してください!
当院は阪急高槻市駅から最も近い内科クリニックで、平日は朝8時半から19時まで診察しています。
仕事前や買い物ついで、駅に寄った時でもさっと寄れます。
もちろん、スマホやウェブ、電話でも予約できますし、キャッシュレス決済にも対応しています。
ぜひお気軽にご相談ください!
慢性腎臓病 Q&A
- 尿たんぱく陽性ってどういう意味? 2つの大事な意味は〇〇と〇〇
-
おしっこは腎臓というところで作られます。いろんな老廃物が入っていますが、逆に言えば、健康な腎臓であれば尿には主に老廃物のみが捨てられます。
しかし、腎臓が病気になると、おしっこの中に老廃物だけでなく、体の栄養として必要な蛋白質(たんぱくしつ)が漏れ出ている状態です。
つまり、尿たんぱく陽性といわれたということは、腎臓の病気の可能性がある、というのが1つ目の意味です。
しかし、より重要なのは2つ目の意味です。
尿たんぱくが出ていると、今後腎臓の機能が低下していくだけでなく、重篤な心臓病(心筋梗塞や狭心症)や、その他の原因により生命にかかわることが研究により証明されています(出典:CKD診療ガイドライン2023 第1章 CKD診断とその臨床的意義)。
また尿たんぱくの量が多ければ多いほど重篤な心臓病などの危険性とも関連するため、定期的な経過観察が重要と言われています。
つまり、尿たんぱくは腎臓だけの問題ではなく、心臓、脳など、生命の危機の可能性をお知らせしてくれるもの、という意味があり、そのサインをきちんと受け取って精密検査・治療を受けることが重要です。
- 尿たんぱくの-、±、+、2+、3+の違いは?
-
健診での尿たんぱくの検査はあなたのおしっこの中の蛋白の濃さを調べています。
そもそも健康な腎臓の方でも、おしっこの中にごくわずかに蛋白が混じることがあります。病的なレベルではないくらい、ごく少量の蛋白しか出ていない場合は「-(マイナス)」と出ます。
そこから蛋白がさらに濃くなると「±(プラスマイナス)」、「+(プラス)」、「2+(2プラス)」「3+(3プラス)」と上がっていきます。
※「+(プラス)」と「1+(1プラス)」は、どちらも同じ意味です。
※「4+」と表示された場合は「3+」よりも濃く、1000mg/dL以上を指します。
基本的には「+(プラス)」以上は腎臓の病気の可能性が高いと判断され、精査が必要でが、ちょっとややこしいのは「±(プラスマイナス)」です。
過去の報告によると、この「±」の患者さんが、より精密な検査を受けると、実に60%が異常だったという論文が複数報告されており、高血圧や糖尿病など生活習慣病、もしくはまだそこまで診断されていなくても血圧が高め、血糖が高めという方は「±」でも腎臓内科での精査をお勧めします。
- 尿蛋白±(プラスマイナス)なら大丈夫?
-
1回だけ±が出た場合は、翌年の検査でもう一度問題がないか確認していただければと思います。
しかし、過去にも±だったことがあり、今回も±だった(通算2回以上の±)、という方は、本当に尿蛋白が出ている可能性が高いとされています。 病初期である可能性がありますので、早めに専門治療開始して頂ければ、元の状態に戻る方もいらっしゃいます。
- 尿たんぱくが「+(プラス)」なら絶対に腎臓の病気なの?
「-(マイナス)」なら腎臓病はないと思って大丈夫なの? -
※ちょっとややこしい話ですので、算数が得意でない方が読み飛ばしてください。
1つ上のQ&Aの説明で、算数が得意な方は気づくと思います。
「あまり水分をとっていなくておしっこの量が少ない日と、いっぱい水分をとっておしっこが多い日とでは、そもそもの尿の濃さが違うはず。この尿検査の意味も状況によって変わってくるのでは?」
まさにその通りなのです。
一般的には1日のおしっこの量は1200~1500mL程度と言われています。
しかし、水分をほとんど摂らず、1日のおしっこの量が500mL程度の方もいれば、水分を多めに飲んで2000~3000mL程度の方もいるため、同じ濃度でも、尿量をどれだけ掛け算するかで1日の尿蛋白の絶対量は数倍程度の開きが出てしまいます。その結果、本来病気ではない人が「+(プラス)」と出たり、逆に本当に腎臓病の方でも「-(マイナス)」と出てしまうことがあるのです。
健診はあくまで簡易検査です。当院の精密検査では、絶対量を評価する検査や血液検査などを組み合わせて、より正確に評価させていただきます。
- 腎臓が病気になる原因は?
-
いろんなタイプの病気が原因となります。例えば血液透析を始める原因となった疾患の上位は糖尿病や腎炎、高血圧などです。
いずれも、腎臓専門外来での診察で診断がつきます。ただし腎炎の場合は、入院精査が可能な総合病院の腎臓内科にご紹介し、より詳細な診断をつける場合があります。
- 腎臓が病気になったら、何か症状は出てこない?末期の症状とは…
-
腎臓は基本的にかなり弱った状態にならないと症状が出ない方が多いです。そのため腎臓は「沈黙の臓器」と言われることもあるようです。
また、腎臓を弱らせる病気の代表の糖尿病や高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも言われ、気づかれないうちに体を徐々に弱らせて、症状が出だしたころには、命に関わるほど重度の進行していた…などということがあります。
なお末期になると、疲れやすい、全身倦怠感、吐き気、食欲低下、息切れ、足のむくみ、あざができやすいなどの症状が出てくる方がいます。「ちょっと体力が落ちなた」や「少し体調が悪いだけ」と、ご自身でも病気のサインに気づけない方も珍しくありません。
ですが、症状が出ないからといって放置はお勧めしません。
そこまでの症状が出る状態まで進行していると、もうそこからは透析などの大きな治療をする以外に、症状を改善する方法はありません。
症状が出る前に少しでも早く受診していただければ、早めに治療を開始し、透析を回避できることもあります。
- 腎臓病が心配なら腎臓専門医がいいの?
腎臓専門医でなくても、普通の内科でもいいの? -
腎臓専門医を中心とした医療チームによる治療は、腎臓病の進行を抑え、他の合併症も減らせると期待できます。
慢性腎臓病の患者さんには、このグラフの黒の点線(---)のように、「このままでは約〇年後に血液透析」と想定される方がいます。なんとかして透析にならないようにしたいですね。
2023年に報告された論文では、そのような患者さんたちに腎臓専門医+医療チームによる治療を受けてもらうよう切り替えたところ、青の点線(---) のように、なんと腎臓の機能の低下速度は約1/4にまで減らしたと報告しています。
例えば、今60歳の患者さんが、10年後に透析になるのか、40年後に透析になるのかでは全く変わってきます。
当院では、腎臓専門医、看護師、管理栄養士と、また調剤薬局の薬剤師と連携をとることで、チームを組んでいます。
- どのくらい腎臓が悪くなったら腎臓専門医を受診したらいいの?
-
腎臓に何らかの異常を指摘されたらお気軽に受診してください。
大切なことは、「もう少し様子を見てから受診しよう」「〇〇まで悪化したら受診しよう」は絶対にやめましょう。
腎臓の病気は、早期であれば治療の選択肢も多くありますし、治療がうまくいけば病気の進行をきちんと予防できますが、治療開始が遅くなればなるほど治療は減りますし、治療はうまくいきにくくなります。
ぜひ症状がないから受診を後回しにする、ではなく、できるだけ症状がないうちに早めに受診をし、透析を回避していきましょう。
- 薬は一生飲まなければいけないのかな?
-
必ずしもそうではありません。
血圧治療の三本柱は食事と運動と薬です。食事と運動を調整することで、血圧が安定してこれば、薬を減らしたりやめられる方もいらっしゃいます。もちろん、治療が順調にいけば(特に早期に治療を開始された方は)完治するタイプの腎臓病もあります。
ただし、状態が安定する前に薬を減らすと、高血圧が長く続いて、むしろ薬を増やす事にもなりえますので、ご注意ください。
また患者さんによっては、特に血圧に関する薬は季節によって量を調整される方もいらっしゃいます。定期的に診察受けて頂く中で相談・調整させて頂きます。
- 薬以外の治療方法は何があるの?
-
大きくは食事療法と運動療法があります。
また高血圧であればスマホアプリによる治療もあります。また、睡眠時無呼吸症候群により血圧が下がりにくい方もいらっしゃいます。検査を受けて頂き、睡眠時無呼吸症候群の治療(マウスピースやCPAPなど)も併せてご提案いたします
- 食事はどうしたらいいのかな?
-
あなたの現在の健康状態や食事状況を確認した上で、栄養士による栄養相談を行います。
患者さんの状況によりどのような食事療法を提供するかは大きく異なるのですが、基本として重要になるのは①減塩(ただし、過剰な制限は好ましくない)、②(肥満やメタボの方は)ダイエットです。つまり、塩分(と、肥満やメタボの方はカロリー)は控えつつ、必要なエネルギーはキチンと取ってください。
当院では、待合室に食事療法に関する本を多数そろえています。診察前後の待ち時間にでもご覧ください。
- どのくらいの間隔で受診が必要なの?
-
病状により大きく変わりますが、治療始めるとき、治療内容を大きく変更するときは1~2週間後に診察いたします。治療効果はどうか、はじめた治療が問題ないか、などを評価するためです。有効な治療を問題なく継続できそうであれば、徐々に間隔を延ばしていき、落ち着いている方では1か月~3か月に1回程度で診察をします。
ただし、病状に不安のある方ではもう少し短期での診察や、病状に落ち着いている方で仕事など多忙で受診が難しい方には、できるだけ外来間隔をあけるよう調整させて頂きます。安心して生活して頂くための診察ですので、ぜひご相談ください。
- 血液検査は何回もするの?
-
これも病状により大きく変わります。
特に薬を使う治療では
・効果は最大にして
・副作用は最小にする
ことが原則です。
副作用については血液検査の情報が重要なことが多いです。
例えば、血圧を下げる薬の中でも、ただ血圧を下げるだけであれば大きな副作用も出ないタイプがあり、そこまで細かく血液検査を要しないことが多いです。
しかし、ただ血圧を下げるだけでなく、将来的な心臓病や腎臓病から守るようなタイプの薬を選ぶ場合は、治療を始める前後で2週間~1か月間隔で血液検査することもあります。もちろん、数回の採血で問題ないことを確認したら検査の間隔を延ばします(3か月~1年に1回程度など。病状によります)。
どのようなタイプの薬が良いかは、あなたの病状やライフスタイル、ご希望に合わせて適切なものを提案させていただきます。
もちろん、病状に不安のある方ではもう少し短期での検査や、病状に落ち着いている方で仕事など多忙で受診が難しい方、採血がかなり不得意な方には、できるだけ間隔をあけるよう調整させて頂きます。ぜひご相談ください。
- 糖尿病や高血圧はあるけど、腎臓が問題なければ腎臓内科ではなく一般内科でもいいかな?
-
早めに腎臓内科に受診されることをおすすめする理由が2つあります。
理由①
高血圧や糖尿病の方は普通の方よりも腎機能の低下速度が速いため、今は腎機能が正常でも、遠くない将来に慢性腎臓病(CKD)へと進む可能性の高い“CKD予備群”と考えられます。
また糖尿病や高血圧の方では腎臓の機能が落ちてくる予兆として、尿検査でわずかな異常が出てくることがあります(※)。検査結果は「わずかな変化」ですが、これが意味する体の変化は全く「わずか」ではありません。
※微量アルブミン検査:尿中のごくわずかなアルブミンという蛋白を検出する検査。一般的な健診では検査されません。医療機関によっては検査をされていな場合がございます。
微量アルブミンが尿中に出てくると、腎臓だけでなく将来的な心臓病や寿命にもかかわってきます。
当院では、腎臓をみるだけでなく将来の心臓病や寿命の予測に重要な,様々な尿精密検査を組み合わせて行うことができます。もちろん、尿検査なので痛い検査ではありません。
理由②
腎臓は再生能力がないため、いちど腎臓が弱ると完全に回復することはできません。しかし適切な治療を行うことで腎臓が弱っていく速度を緩めることができます。
大切なことは腎臓病が進んで、心臓や寿命のリスクを抱えた状態になってから治療を考えるのではなく、そうなる前に適切な予防治療をして行くことが重要です。
- 慢性腎臓病ってなに?私も慢性腎臓病なの?
-
次のどちらかが3か月以上続く状態であれば慢性腎臓病と言います。ガイドラインの言葉をわかりやすく言い換えて説明します。
1. 尿検査や血液検査、その他精密検査で腎臓に異常がある場合
2. 血液検査のCre(クレアチニン)値を元に計算して、eGFRという腎臓の機能を表す数値を出し、それが60未満の場合
特に2.については以下の表をみてください。
この表の数字より大きければ、eGFRは60未満となり、その状態が3か月以上続けば慢性腎臓病と診断されます。
例) 60歳男性、Cre 1.10mg/dL→1を超えているため慢性腎臓病の可能性あり
- 腎臓が弱っている人は運動を控えた方がいいって聞いたことあるけど、運動して大丈夫?
-
患者さんの病気の状態によりますが、慢性腎臓病ではおおまかには「運動制限はない」と考えていただいて結構です。
(私が昔聞いた話では)運動すると一過性に尿の蛋白が増える→きっと腎臓を悪くさせるに違いない→運動は禁止!という考えがあったと聞いたことがあります。
しかしその後、本当に運動で悪く腎臓が悪くなったという科学的根拠は出ず、結果今は、基本的には「運動は制限しない」という考え方が主流です。
またさらに、慢性腎臓病の方にはむしろ「運動療法を行うことを推奨する」というガイドラインになっています。
その根拠として
・慢性腎臓病では、運動と食事を組み合わせて改善すると、腎機能の悪化が抑えられた
・体力の改善
・身体機能の改善
が報告されています。
※ youtubeやinstagramなど含めたネット上の情報で、「〇〇の運動で腎機能を改善」「〇〇を食べて腎臓が治った」「腎臓浄化」といった煽るような題名の記事を拝見することがありますが、少なくともガイドラインレベルで(専門医として明確な根拠を示せるものとして)「改善」や「治癒」まで認める方法は皆無です。また「浄化」は理解しかねます。
腎臓は再生能力のない臓器のため、基本的には「進行を抑制する」がより正しいと思います。ご注意ください。
- 普段かかっているクリニックがあるけど、腎臓内科にも受診していいの?
-
もちろんどうぞ!
腎臓が数値が気になってきて腎臓専門医の診療に切り替えたい方、一度お話だけでも聞いてみたい方、精密な尿検査だけでも受けてみたい方、セカンドオピニオンを希望される方、など、腎臓でお悩みの方はどなたでも診察いたします。お気軽にご相談ください。
※ 本文中でご紹介した報告や臨床効果はすべての方に同様の結果を示すわけではありません。
阪急高槻市駅1分
やまぐち内科・腎臓内科
-
〒569-0802
高槻市北園町15番16号
Infini Takatsuki (アンフィニ高槻) 6FTEL:072-648-3860
診療科目:内科、腎臓内科
当ビル北側有料駐輪場について
利用料金 4 時間毎に 100 円
受診で来院された方には、駐輪場サービスコインをお渡しします。
受付にてお申し出ください。
HPお問い合わせ先:info@takatsuki-naika.com
※診療に関するお問い合わせはお電話にてお願いします
-